結婚式で既婚親族が着用する第一礼装
黒留袖とは、結婚式の際に既婚親族の女性が身につける着物の事を言います。黒留袖という名前からも想像できる通り黒地のお着物です。既婚女性が着用する最も格の高い礼装であり着物の格においては「第一礼装」と呼ばれています。
黒留袖と江戸褄は同じもの?
年配の方などは黒留袖の事を「江戸褄」と呼ぶ方もいます。民族用語であり語源の由来なども他説あるようです。黒留袖と江戸褄の大きな違いといえば、柄の入り方の違いなどありますが、厳密に見分けて使い分けているとは考えづらく、黒留袖と同様の意味合いで使われるのが一般的です。
黒留袖の家紋の数
黒留袖には必ず、背中、胸元、両袖の背面に合計で5つの染め抜き日向紋が入ります。三つ紋や一つ紋の黒留袖はありません。黒留袖レンタルの場合などには、通紋と呼ばれる蔦、蝶、五三の桐などが入れられている事が一般的です。近年では、黒留袖をレンタルする方が増えているようです。
黒留袖の仕立て方法
黒留袖は「比翼仕立て」という仕立て方法が用いられます。比翼仕立てとは、胴裏の他に比翼地という生地を使い、2枚重ねて着ているように見せるための仕立て方法です。
色留袖と黒留袖の違い
黒以外の色合いの留袖を「色留袖」と呼びます。色留袖も五つ紋の場合のみ黒留袖と同格とされていますが、実際には三つ紋として「第二礼装」として扱うことが多く色留袖レンタルの品物などをみても三つ紋が一般的です。宮中では黒は喪の色とされているので、黒留袖ではなく色留袖が用いられています。