年齢に合わせた柄選び
明解な決まり事があるわけではない
黒留袖を選ぶ方法の一つとして、年代に合わせた柄選びというものがあります。あくまでも年代を参考に選ぶということが目的であり、必ずしもこの年代はこの着物という決まり事などはないそうです。帯と合わせたコーディネイトによって、全体のバランスはことなるので、帯や小物などのコーディネイトを含めた上で黒留袖を選ぶ必要があります。
購入する場合には長く使える柄がおすすめ
黒留袖をレンタルするのではなく、購入を検討している場合には、現代柄をベースとしたものより古典柄の黒留袖の方が長く使得る柄行である可能性は高そうです。購入検討の段階で悩むことがあれば、帯や草履バッグだけ良い物を購入しておき、黒留袖はレンタルで賄うという方法なら自分好みのコーディネイトも楽しめそうですね。
季節に合わせた柄選び
ほとんどの黒留袖が季節を選びません
季節を特定するような黒留袖も中にはありますが、季節感を選ばずに着用できるように考慮したデザインのものがほとんどです。植物などが描かれる際にも、よく見てみると四季折々の草花が描かれており、どの季節でも対応できるように描かれています。
たとえば「菊」の柄を例にすると
菊の季節感を考えると秋の柄という考え方もありますが、菊という花は高貴で美しく、長寿を象徴する花としても知られています。結婚式のようなおめでたい席に華を添えると考えても年間とおして問題なく着用することができるのです。
吉祥文様に込められた思い
吉祥文様とは
黒留袖の柄には、古来より人の幸せを願う心をこめた模様が描かれてきました。吉祥紋様には「よい前兆」という意味合いが込められ、黒留袖の柄などにも描かれています。
模様とその意味について
- 鶴亀、桃、菊、熨斗、兎、・・・長寿
- 葡萄、瓜、唐子・・・子孫繁栄
- 桐、麻、竹・・・成長祈願
- 七宝、宝船、扇・・・栄達
- 琵琶、藤、鯉、鶏・・・昇進
- 鴛鴦、相生の松、貝・・・夫婦円満
- 雪輪、雀・・・豊作
- 薬玉、瓢箪・・・健康
黒留袖の柄と格について
上記でも示している通り、着物の柄には色々な意味合いがあり、その柄に対して格の違いも過去には存在したようです。しかし、現在では歴史上での格式に関して詳しい有識者も少なくなり、地方や個人によっても見解が異なるため、黒留袖を選ぶ際に「柄の格を重んじる」という考え方自体が少なくなっているようです。※あくまでも個人的な見解も含まれます。心配な場合には、地元や身内の有識者の意見を求めてみましょう。
京友禅と加賀友禅の違い
一言に着物といっても、加工方法はさまざまです。職人さんが手間暇かけて生み出すような高価なお着物があれば、プリントのような加工によって量産されるお着物などもあります。消費者にとっては、価値を比較するのは大変困難な状況にはありますが、黒留袖を知る上でも重要になるであろう「京友禅」と「加賀友禅」の違いにのみ簡単にご説明したいと思います。
京友禅黒留袖
京友禅黒留袖の特徴京友禅の黒留袖には、豪華な刺繍や金箔などが使われます。色味も加賀友禅に比べると強く華やかさのあるお着物です。黒留袖の90%以上は京友禅だといって間違いないでしょう。 |
加賀友禅黒留袖
加賀友禅黒留袖の特徴加賀友禅の黒留袖には豪華な刺繍や金箔などはありません。色味は抑えた色合いが特徴で、繊細で上品な風合いがあります。著名な作家物などが多く、価格も効果なものが多いようです。 |